恋愛がうまくいかない人に共通する5つの思考パターン

月曜日(出会いと関係づくり)

はじめに

私は昔恋愛がうまくいかない理由を

・相手の見る目がないからかな
・運が悪いだけかな
・もう向いていないのかもしれない

と、本気で思っていた時期がありました。

でも、心理学や脳の研究を読んでいくうちに「人を見る目」よりも「自分の考え方のクセ」のほうが恋愛に大きな影響を与えていると知りました。

今回は、研究でも指摘されている恋愛がうまくいかない人に共通しやすい代表的な5つの思考パターンをできるだけやさしい言葉で整理していきます。

私自身の気づきもところどころに入れながら一緒に「自分の心のメガネ」を見直していきましょう。

恋愛がうまくいかないのは「性格のせい」ではなく「考え方のクセ」

心理学では、物事の受け取り方が偏ってしまうことを認知バイアス認知のゆがみと呼びます。

・相手の一言を悪い意味にだけ解釈してしまう
・いい出来事より、悪い出来事ばかり思い出してしまう

こういったクセが積み重なると同じ出来事でも、心へのダメージが大きくなり恋愛がうまくいきにくくなります。(SAGEJournals)

最近の研究では曖昧な出来事をネガティブに解釈しやすい人ほど不安や人間関係のトラブルが増えやすいこともくり返し示されています。(スプリンガーリンク)

私は「返信がちょっと遅いだけで不安になる」「相手の顔色ばかり見る」そんな自分を、長いあいだ性格だと思っていました。

けれど実際はいくつかの思考パターンがセットになっていただけでした。
パターンは気づけば、少しずつ変えていくことができます。

ここから、その代表的な5つを見ていきます。

パターン1自己否定型

自分は愛されないと思い込んでしまう

1つ目は、自分を低く見すぎてしまうパターンです。

・どうせ自分なんて
・私なんかが愛されるわけがない・嫌われるに決まっている

と、出会いの前から心の中で決めつけてしまう状態です。

最近の自己慈悲の研究では自分にやさしくできる人ほど恋愛関係の満足度が高くケンカのあともうまく修復できることが分かっています。(PMC)

反対に自分への批判が強い人は

・相手の好意を信じにくい
・少し距離を感じただけで「嫌われた」と感じやすい

という傾向があります。

私も昔は「相手が本気なわけがない」と勝手に決めつけて自分から一歩引いてしまうことがよくありました。

このパターンに気づいたらまずやってほしいのは

・失敗した自分
・不安になっている自分

を責めるのではなく「よく頑張ってきたね」と心の中で一度受け止めることです。
自分への態度がやわらぐほど相手の好意も、少しずつ受け取りやすくなります。

パターン2過剰分析型

LINEの一言を深読みしすぎてしまう

2つ目は、相手の行動を必要以上に分析してしまうパターンです。

・返信が遅い→だから嫌われたかもしれない
・いつもより絵文字が少ない→だから怒っているに違いない

と、事実よりも「悪い予想」のほうを強く信じてしまいます。

曖昧な状況をネガティブに解釈しやすい人は不安や人間関係のストレスが増えやすいことが複数の研究で示されています。(スプリンガーリンク)

恋愛でも同じで

・実はただ忙しいだけ
・たまたま余裕がないだけ

という状況でも「冷められた」と決めつけることで
自分から距離を取ってしまったり相手を試すような行動につながることがあります。

私は、このパターンがとても強いタイプでした。
最近は、頭の中で考えすぎてしまったときに

・相手に確認していないことは事実ではない
・他の可能性も3つくらい考えてみる

と、あえて別の解釈を探す練習をしています。

考えすぎて動けなくなるより「少し聞いてみる」「少し笑って流してみる」このくらいの軽さがあると恋愛の息苦しさはかなり下がります。

パターン3依存型

相手がいないと自分の価値を感じられない

3つ目は、恋人を失うことへの怖さが強く相手なしでは自分の価値を感じにくいパターンです。

・連絡がないと落ち着かない
・予定が相手中心になる
・嫌われるのが怖くて、何でも合わせてしまう

こうした状態は愛着不安と呼ばれる傾向と関係があるとされています。(PMC)

愛着研究のレビューでは不安型の愛着が強い人ほど

・恋人への依存度が高い
・嫉妬や不安が強くなりやすい
・関係の安定性が下がりやすい

といった特徴が報告されています。(PMC)

私自身も「相手に選ばれること」が人生の評価のように感じてしんどくなっていた時期があります。

そんなときに少し楽になった考え方は

・恋人は「自分を完成させる最後のピース」ではなく
・すでに生きている自分に「一緒にいてくれる人」

というイメージに変えてみることでした。

依存型のパターンに気づいたら

・恋愛以外の時間を少しだけ充実させる
・1日の中で、自分だけの楽しみを増やす

こうした「自分で自分を満たす習慣」が結果的に恋愛の安定にもつながっていきます。

パターン4理想追求型

完璧な相手を探し続けてしまう

4つ目は、理想が高すぎて現実の相手にいつもガッカリしてしまうパターンです。

・もっと優しい人がいい
・もっと収入がある人がいい
・もっと分かってくれる人がいい

と、いつも「もっと」を探してしまいます。

パートナーの理想像についての研究では人は頭の中に、温かさや魅力、経済力などいくつかの「理想スタンダード」を持っていて(SAGEJournals)、現実の相手がそれに合わないと満足度が下がりやすいことが知られています。(relationshipscienceonline.com)

もちろん
・大切にされたい
・価値観が合う人がいい

と願うことは、とても自然です。

でも、理想のチェックリストが増えすぎると

・相手の良いところを受け取れない
・自分自身も、いつも足りない気がしてしまう

という状態に陥りやすくなります。

私は、頭の中にたくさん条件を持っているほど目の前の人の小さな優しさを見落としていたなと振り返って感じます。

理想追求パターンに気づいたら

・絶対にゆずれない条件を3つだけ書き出す
・それ以外は「一緒に育てていける部分」と考えてみる

このくらいシンプルにすることで人を見る目が、ずっとやわらかくなっていきます。

パターン5回避型

傷つくのが怖くて、近づく前に距離を取ってしまう

5つ目は親密になる前に心のシャッターを下ろしてしまうパターンです。

・本音を出すのがこわい
・甘えるより、1人で何とかしたい
・付き合う前から、うまくいかない未来を想像してしまう

こうした傾向は回避型愛着と呼ばれるスタイルと重なる部分があります。(PMC)

研究では、回避型の愛着が強い人ほど

・親密さに不安を感じやすい
・感情を表に出すことを避けやすい
・相手から見ると「距離を置かれている」と感じさせやすい

ことが示されています。(Frontiers)

多くの場合、これは冷たいからではなく「もう傷つきたくない」という心の防衛反応として起こっています。

私も、人に相談するより「自分で何とかする」がクセになっていて頼ることや弱さを見せることに強い抵抗がありました。

回避型のパターンに気づいたときいきなり全部をさらけ出す必要はありません。

・今日あった少しだけ嬉しかったこと
・少しだけ不安だったこと

このくらいの小さなシェアから始めてみる。
それだけでも、人とつながる感覚は少しずつ育っていきます。

思考パターンに気づくためのミニワーク

ここまでの5つを読んでみて「あ、これ自分かも」と感じたものはあったでしょうか。

おすすめのミニワークは、とてもシンプルです。

・最近の恋愛や人間関係でモヤっとした出来事を1つ思い出す
・そのとき頭に浮かんだ考えを書き出す
・その考えが、5つのどれに近いか丸をつける

これを何回か繰り返していくと自分が特に引っかかりやすいパターンが見えてきます。

パターンが見えるということは「ダメな自分」ではなく「クセを持っている自分」として扱えるようになる、ということでもあります。

さいごに

私は長いあいだ恋愛がうまくいかない理由を自分の価値や魅力のなさと結びつけて考えていました。

でも、学びを重ねる中で分かってきたのは

・誰にでも思考のクセがあること
・そのクセは、過去の経験から自分を守るために身につけたものだということ
・気づけば、少しずつ柔らかくしていけること

この3つでした。

あなたが今もし

・また同じ失敗をしそうでこわい
・自分だけうまくいかない気がする

と感じているならそれは「ダメな証拠」ではなく心が変わりたいとサインを出しているだけかもしれません。

今日紹介した5つの思考パターンはどれも、あなたを守ろうとした結果少し頑張りすぎているだけのクセです。

ゆっくりで大丈夫です。
自分のクセに気づき少しだけ違う選択を試してみる。

その小さな一歩がこれからの恋愛をもっと楽で、もっと優しいものに変えていきます。

あなたの恋愛が「自分を責める場所」ではなく「自分を知って、育てていける場所」に変わっていきますように。

参考文献

・Neff,K.D.Self-CompassionTheory,Method,Research,andIntervention.AnnualReviewofPsychology,2023.(AnnualReviews)
・Lathren,C.R.etal.Self-CompassionandCurrentCloseInterpersonalRelationships.2021.(PMC)
・Dietel,F.A.etal.InterpretationBiasAcrossEmotionalDisorders.CognitiveTherapyandResearch,2021.(スプリンガーリンク)
・Vos,L.M.W.etal.BiasedandInflexibleUpdatingofInterpretations.BehaviourResearchandTherapy,2025.(サイエンスダイレクト)
・Simpson,J.A.,&Rholes,W.S.AdultAttachment,Stress,andRomanticRelationships.CurrentOpinioninPsychology,2017.(PMC)
・Li,T.,&Chan,D.K.S.HowAnxiousandAvoidantAttachmentAffectRelationshipQuality.EuropeanJournalofSocialPsychology,2012.(PLOS)
・Fletcher,G.J.O.etal.IdealStandardsinCloseRelationships.2000およびCampbell,L.,&Fletcher,G.J.O.RomanticRelationships,IdealStandards,andMateSelection,2015.(SAGEJournals)
・Bretaña,I.etal.AvoidantAttachmentandConflictBehaviors.FrontiersinPsychology,2022.(Frontiers)
・Self誌AvoidantRomanticAttachment2021年記事およびVerywell系解説記事2024年以降。(SELF)

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