恋愛を始める前に整えておきたい自己肯定感

月曜日(出会いと関係づくり)

はじめに

私は昔、恋愛をするとき

・嫌われないようにしなきゃ
・ちゃんとした彼女でいなきゃ
・相手に選ばれなきゃ

と、ずっと自分をチェックしていました。
気づけば、恋愛そのものがテストみたいな時間になっていて、デートのあとも

・今日の私、点数何点だろう
・あの一言、言わなきゃよかった

と、自己採点ばかりしていました。

そしてある時ふともしかして、私が整えるべきなのは見た目でも話術でもなく自分をどう見るか、つまり自己肯定感なのでは?と気づいたんです。

そこから心理学の研究を読み漁ってみると恋愛がうまくいくかどうかには「どれだけモテるか」ではなく自分をどう扱っているかが深く関わっていることが、たくさんの研究で示されていました。(PubMed)

この記事では、難しい専門用語はできるだけ使わず

・なぜ自己肯定感が恋愛の土台になるのか
・自己肯定感が低いとどんな恋愛パターンにはまりやすいのか
・今日からできる自己肯定感の整え方

を、エビデンスと私自身の経験をまぜながらお話しします。

恋愛と自己肯定感はなぜつながっているのか

まず、自己肯定感とは

・失敗しても、ダメな人間だと決めつけない力
・欠点があっても、自分を嫌いになりすぎない力

のことだと思ってください。

最近の研究では、自分に優しい人ほど

・恋人とのケンカのあとも立て直しが早い
・相手への信頼が安定しやすい

ことが分かっています。(ResearchGate)

特に「セルフ・コンパッション」という自分への思いやりが注目されています。
2023年以降のレビュー研究では

・自分に厳しすぎる人より
・自分に優しくできる人のほうが

恋愛関係の満足度が高く、ストレスも少ないことが報告されています。(SAGEJournals)

一方で、自己肯定感が低いと「私は愛される価値が低い」という前提から恋愛を見てしまいます。

その結果

・相手の小さな態度も「嫌われたかも」と受け取りやすい
・うまくいかないと「やっぱり私はダメだ」に戻ってしまう

という【負のループ】にはまりやすくなります。(PubMed)

私自身も、相手の一言で一喜一憂して気づけば、相手ではなく「自分の点数」ばかり見ていた時期がありました。
今振り返ると、あの苦しさの正体は「恋愛」ではなく自分で自分を合格にしていなかったことだったと思います。

自己肯定感が低いと起こりやすい恋愛パターン

自己肯定感が低いとき、恋愛ではどんなことが起きやすいのでしょうか。
ここでは代表的なパターンを、分かりやすく3つに絞ってお話しします。

①嫌われないように頑張りすぎる

自己肯定感が低い人は「本当の自分のままでは愛されないかも」と感じやすいと言われています。(PubMed)

そのため

・相手の好みに合わせすぎる
・断りたいのに断れない
・本音よりも、正解っぽい返事をしてしまう

といったことが起こりがちです。

短期的には「いい人」「気が利く人」と思われても長期的には

・自分がどんどん疲れていく
・相手から見ても、何を考えているのか分からない

という状態になり、関係が不安定になります。

②相手の気持ちを悪い方に読みすぎる

不安が強いと、人はあいまいな出来事を悪い方に解釈しやすいことが研究で分かっています。(ResearchGate)

たとえば

・返信が少し遅れただけで「嫌われたかも」と考える
・会えない日が続くと「もう興味がないのかな」と決めつける

などです。

実際には「仕事が忙しいだけ」「たまたま疲れていた」ことも多いのに自己肯定感が低いと、すぐに「私だからダメなんだ」という結論に飛びつきやすくなります。

③相手に頼りすぎてしまう

恋人の反応でしか、自分の価値を感じられないと

・連絡がないと不安で何も手につかない
・会えないと「見捨てられた」と感じてしまう

といった【関係依存】に近い状態になりやすくなります。

最近の研究でも、自己肯定感が低く、愛着不安が高い人ほど相手にしがみつくような行動が増え、結果として関係の満足度が下がりやすいことが報告されています。(BioMedCentral)

私も過去に、相手の返信スピードやスタンプの数で自分の価値を測っていた時期がありました。
今思うと、そのとき私が必要としていたのは恋人ではなく安心できる自分との関係でした。

恋愛前に自己肯定感を整える3つのステップ

ここからは、研究で効果が確かめられていてしかも日常でやりやすい方法を3つご紹介します。
どれも「今日から」「ひとりで」始められるものです。

①失敗した自分を責めない練習をする

セルフ・コンパッションの研究では自分に優しくできる人ほど

・ストレスからの回復が早い
・人間関係のトラブルから立ち直りやすい

ことが、最近のレビューで改めて示されています。(ResearchGate)

ポイントは、うまくいかなかったときに次のような言い換えをすることです。

・あの発言、失礼だったかも
 →失敗したけど、次にどう言えば良いか学べた

・今日は会話が弾まなかった
 →疲れていただけかもしれない。今度はもう少し休んでから会おう

こうした言い換えは、ただのポジティブ思考ではなく脳のストレス反応をやわらげ、行動力を守ることが分かっています。(スプリンガーリンク)

私も、恋愛で失敗した夜は昔は「もう二度と恋愛なんて無理」と決めつけていましたが
今は「今日はうまくいかなかった日」とラベルを貼ってそれ以上、自分を責めるのをやめるようにしています。

②人と比べる時間を減らす

SNSを見ていると

・友だちの結婚報告
・幸せそうなカップル写真

がたくさん流れてきますよね。

2025年のメタ分析では「他人との比較が多いほど、幸福度が下がる」と同時に自分の見た目や恋愛に対する満足度も下がることが示されています。(Frontiers)

比べる相手が増えるほど自分の良さやペースが見えなくなってしまうのです。

具体的には

・恋愛で落ち込んでいる時期は、SNSの使用時間を少し減らす
・他人の投稿を見た後に「今の私はどう感じている?」と自分に問いかける

など、小さな工夫から始めてみてください。

③小さな「できた」を集める

自己肯定感の土台は大きな成功ではなく小さな成功の積み重ねです。

2025年の行動活性化の研究では

・日常の小さな行動目標を立てて
・それを実行する

だけでも、数日で「自分はできる」という感覚が高まり気分も安定しやすくなることが示されています。(スプリンガーリンク)

恋愛の準備としておすすめの「小さなできた」は

・今日はきちんとご飯を食べた
・疲れていたから、早く寝る選択ができた
・友だちに自分から連絡を取れた
・自分の気持ちをノートに1行書けた

などです。

私も、いきなり「完璧な恋愛」を目指すのではなく

・今日はちゃんと自分の気持ちを感じられた
・断りたい誘いを断れた

といった「自分を大切にできた行動」に丸をつけるようにしてから恋愛の場面でも、前より落ち着いて相手と向き合えるようになりました。

自分を大切にすることが恋愛のスタートライン

ここまでお話ししてきたことを、簡単にまとめます。

・自己肯定感は「自分を嫌いになりすぎない力」
・自己肯定感が低いと

 恋愛がテストのようになり、嫌われないように無理をしがち

・研究でも自分への思いやりや自己受容が高い人ほど恋愛の満足度が高く、トラブルからの回復も早い

そして何より大事なのは恋愛は、誰かに合格をもらう場所ではなく自分を大切にできる人と出会うための場所

という視点です。

さいごに

私は長いあいだ相手にどう見られるかばかりを気にして恋愛をしてきました。
だからうまくいかないと「やっぱり私がダメなんだ」と自分を責め続けていました。

でも今は恋愛がうまくいくかどうかの前に

・今日は自分をちゃんと守れたかな
・自分の気持ちを無視していないかな

と、自分との関係をまず確認するようにしています。

あなたにも、どうか覚えておいてほしいことがあります。

自分を大切にできるようになったから恋愛が始まるのではなく自分を大切にしようと決めた瞬間からもう恋愛の準備は始まっているということです。

そのペースで進んでいるあなたは、もう十分、前に進めています。

参考文献

・Neff,K.D.etal.Self-compassionandromanticrelationshipfunctioning.SocialandPersonalityPsychologyCompass,2023など(SAGEJournals)
・Teoh,Y.Y.,&Hashim,I.H.Self-compassion,attachment,andromanticrelationshipqualityamongemergingadults,2024(Dialnet)
・Murray,S.L.,Holmes,J.G.,&Griffin,D.W.Self-esteemandthequestforfeltsecurity,JournalofPersonalityandSocialPsychology,2000(PubMed)
・LeBlanc-Brillon,J.etal.Socialcomparisonandwell-beingindigitalenvironments,FrontiersinPsychology,2025(Frontiers)
・Benson,P.etal.Theeffectofabriefonlinebehavioralactivationinterventiononmoodandself-efficacy,2025(スプリンガーリンク)

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