無理に恋を探さないほうがうまくいく理由

月曜日(出会いと関係づくり)

はじめに

私は昔、「そろそろ彼女作らなきゃ」「この年齢なら結婚を意識しないと」と、頭のどこかでいつも焦っていました。

マッチングアプリに登録して、会いたくない日も予定を詰めて、帰り道でぐったり。
でも、がんばって動いているはずなのに、心から「この人だな」と思える出会いはなかなか来ませんでした。

そこから心理学や脳科学の研究を読むようになって、無理に恋を探している時の私は、むしろ「出会いを遠ざける状態」になっていたと気づきました。

この記事では、研究のエビデンスをもとになぜ無理に恋を探さないほうがうまくいくのかその理由と、今日からできる具体的なポイントをまとめていきます。

恋を「埋め合わせ」にすると、相手が見えなくなる

恋を焦って探している時の心の中には、こんな気持ちが隠れていることが多いです。

・ひとりだと不安だから誰かがほしい
・結婚のタイミングを逃したくない
・周りはみんなパートナーがいるのに自分だけ遅れている気がする

心理学では、人が足りないものを埋めようとする動きを「欠乏動機」と呼びます。
もともとはマズローの欲求理論に由来し、最近のレビューでは「愛情やつながりが不足していると、その不足を埋める行動に強く引っ張られる」と整理されています。

この状態になると、相手そのものより

・自分をどれだけ寂しさから救ってくれるか
・どれだけ不安を減らしてくれるか

といった「自分を満たす機能」として人を見てしまいやすくなります。

その結果

・条件表だけを見て相手を選んでしまう
・少しでも不安になると「この人は違う」と切り捨ててしまう
・そもそも自分が何を大事にしたいのか分からなくなる

という、苦しい恋愛パターンに入りやすくなります。

私も、疲れていた時期ほど「優しい人なら誰でもいいのかも」「とにかくパートナーがいる状態になりたい」と考えてしまい、本当の自分の気持ちを置いてきぼりにしていました。

幸せな人ほど「いい出会い」が増えやすいという事実

多くの人は恋人ができたら幸せになれると思いがちですが、研究ではその逆の流れも強く示されています。

ポジティブ心理学のメタ分析では、ふだんから幸福度が高い人ほど、仕事、健康、そして人間関係で良い結果が出やすいことが分かっています。
恋愛や結婚の満足度も、その中に含まれています。

さらに、ポジティブな感情が多い人ほど

・他人に優しくできる
・相手を信頼しやすい
・人とのつながりを長く保てる

といった特徴があり、結果として良い人間関係が増えることも報告されています。

つまり

恋があるから幸せになるではなくある程度自分の毎日が満たされているから、良い恋になりやすいという流れが、科学的にも確かめられているのです。

私自身も、「恋人がいない自分は足りない」と感じていた時よりも、

・仕事や学びに集中している時期
・趣味や創作に没頭している時期

のほうが、不思議と「自然な出会い」が増えました。
その時の私は、恋を必死で探していた頃より、表情も会話もやわらかかったのだと思います。

焦りやストレスが「人を見る目」を鈍らせる

恋を急いで探そうとすると、心の中は常に軽いストレス状態になります。

・早く誰か見つけなきゃ
・この人を逃したらもう出会いがないかも
・次のデートまでにもっと魅力的にならなきゃ

このようなプレッシャーは、脳のストレス反応を高めます。

意思決定の研究では、強いストレス下では冷静な判断力が落ち、直感的で短期的な選択に偏りやすいことが示されています。

また、ストレスが高いときは、他人への思いやりや協力行動も減りやすいことが報告されています。

恋愛でこれが起こると

・自分に合わないと感じていても「とりあえず付き合うか」と決めてしまう
・本当は違和感があるのに、孤独が怖くて関係を続けてしまう
・相手のちょっとした行動で強くイライラしてしまう

といった「選び間違い」や「こじれ」が起きやすくなります。

私も、心がしんどい時期に無理して出会いを増やしたときは、「なぜこのタイミングでこの人を選んだんだろう」と後から感じることが多く、どちらにとっても良い結果にはなりませんでした。

無理に恋を探さないほうがうまくいく理由

ここまでの研究をまとめると、無理に恋を探さないほうがうまくいく理由は、だいたい次の3つに整理できます。

・欠乏感から動くと、相手が「自分を埋める道具」のように見えてしまい、本当のつながりが育ちにくい
・自分の幸福度がある程度高いほうが、人との関係全体がよくなり、結果として恋愛もうまくいきやすい
・焦りやストレスが強いと、人を見る目や判断力が落ち、相性の悪い相手を選びやすくなる

では、具体的にどうすれば

「恋をがんばって探すモード」から「自然な出会いを受け取れるモード」に切り替えられるのでしょうか。

無理に探さず、出会いに強くなるための3つのステップ

①自分の毎日を少しだけ豊かにする

いきなり「自分を満たしましょう」と言われても、ハードルが高く感じます。
なので、まずは小さな一歩からで大丈夫です。

・5分だけ好きな動画や音楽を楽しむ
・いつもより1つだけ丁寧にご飯を作る
・行ってみたかったカフェに寄ってみる

ポジティブ感情の研究では、こうした小さな前向きな気分が積み重なることで、対人関係への良い影響が広がっていくとされています。

自分の暮らしが少しずつ整ってくると、「誰かに救ってもらわないと私はダメだ」という感覚が静まり、フラットな目で人を見られるようになります。

出会いの「量」より「質」を大事にする

毎週のように新しい人と会うよりも、

・心から話せる友だちと過ごす
・安心できるコミュニティに参加する
・自分の興味に近い場に少し顔を出す

といった「質のよいつながり」を増やしたほうが、長期的には良い恋に結びつきやすいと考えられています。

社会的なつながりが、心のエネルギーを守る「ベースライン」になるという理論もあり、日常の人間関係が安定しているほど、新しい出会いにも落ち着いて向き合えることが示されています。

私も、「とにかく新しい人に会わなきゃ」から「今いる人間関係を大事にしよう」に切り替えてからのほうが、紹介や自然な出会いが増えていきました。

目標を「恋人を作る」から「人とつながる経験を増やす」に変える

恋人を作らなきゃ、というゴールだけにしてしまうと、「今日も見つからなかった」という失敗感が積み重なりやすくなります。

そこでおすすめなのが、目標の言い方を変えることです。

・月に1回、誰かとゆっくり話す時間をつくる
・週に1回、新しい場所やイベントに行ってみる
・自分から挨拶やお礼を1つ増やしてみる

行動を少しずつ増やすことで、心が後からついてくるという考え方は、行動活性化などの研究でも支持されています。

恋人を作ることだけがゴールではなく「人とのつながりの経験を増やすこと」を目標にすると、失敗ではなく「今日も1歩進んだな」と感じやすくなります。

さいごに

私は長いあいだ「恋愛をがんばっている自分」「出会いを増やしている自分」でいないと、価値が下がってしまうような気がしていました。

けれど今は無理に恋を探さない時間も、ちゃんと恋への準備になっていると感じています。

・自分の毎日を少しずつ整えること
・小さな幸せを受け取る力を育てること
・人との出会いを「埋め合わせ」ではなく「プラスの出会い」として迎えられるようになること

これらが整った時、恋は「探しに行くもの」から「自然に入ってきてくれるもの」に変わっていきます。

もし今、恋愛に疲れているならがんばれない自分を責めるのではなく「少し休んで力をためている時期なんだな」と、自分にやさしくしてあげてください。

そのやさしさが、次の恋を大切にできる、いちばんの土台になります。

参考文献

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・Lyubomirsky,S.,&Sin,N.(2009).Positiveaffectivityandinterpersonalrelationships

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